「健全な子育ては健全な家庭環境に宿る」今回は、
乳幼児に対する「献身的愛情」について書こうと思いましたが、
その前に、自宅で父の胃瘻(胃ろう)による介護を行っている、母の一日
をご紹介します。
※胃瘻(胃ろう)とは?
口からの栄養摂取が困難になった場合に、お腹に造った“第二の口”
から栄養補給を行う栄養療法です。
父は入院していた時、[看護師さんは俺のことを3歳児くらいに扱って
いる」と言っていました。3歳児はだいたい乳幼児にあたります。
79歳の乳幼児を介護する母の一日は、まさに「献身的」なのです。
■朝は5時から■
胃ろうは1日に3回行います。1回の所要時間は約2時間です。
朝6時ころ、私が目覚めると隣部屋はもうごそごそしていました。
一回目(朝食)の始まりです。母に聞くと5時ごろから始めていた
とのことでした。
父は目を閉じて寝ているようです。そのベッドの上部に栄養剤の入った
ボトルがあり、そこからチューブを通して、お腹に造った“第二の口”に
注ぎ込むわけです。
そのセットをするのは母。
セットの仕方は看護師さんに怒られながら、何度も練習してきました。
セットの順番を間違えると、ジャージャー流れ出ちゃったりしますから、
毎回、慎重に行わなければなりません。
物を食べてる姿を、食べられない父に見せるのははばかれるので、
母と私は、父の見えないところで急いで朝食を済ませます。
2時間の最中に父がトイレに行きたくなります。その度に注入を一旦
中断。チューブをはずし、軽く手を引きながらトイレに連れて行くのも、
母の役目。
「さっき行ったばっかりでしょ」とか言いながら。
約2時間後、7時には栄養剤が全部注ぎ込まれました。
チューブを抜いて、なにやら薬と水を大きな注射器のようなものを
使用して、同じ“第二の口”から注入して、1回目の終了です。
■昼は昼で・・・■
その後、父は新聞をザーと見たり、テレビを観たり。母は家事を
したり。
ちょくちょく、「おいっ」と父が母を呼びます。
「おいっ」は、昔から父が母を呼ぶ時の言葉です。これは変わって
いません。
「おいっ」の用事がトイレだったり、ベッドに横になりたいだったり。
母はその度に家事を中断し、父の元へやってきて世話をするわけです。
■夜、これがまた大変■
3回目の胃ろうが終了すると、だいたいお休みの時間。20時くらいです。
しかし、これからが大変。
だいたい1時間毎に、「おいっ」が始まります。
トイレです。その度に母がトイレに連れて行きます。
私も23時くらいまでは付き合いましたが、その後は夢の中。
翌朝聞くと、その後も1〜2回は起こされたそうです。
■献身的愛情、無償の愛■
こうした母の姿を一日でも見ると、「献身的」という言葉が思い起こされ
ます。
身も心も削って自身のことは後回しの無償の介護であり、無償の愛です。
ある日、父は母に言ったそうです。
「今日もありがとう。明日もよろしく願いします。」と。
その言葉に励まされて、今日も老老介護は続いています。
■乳幼児の子育て■
乳幼児の子育ても、「朝から晩まで」、「寝ている間も」という点では、
ほぼ同様に大変な仕事です。
次回は、その大変さを私なりに書ければと思います。
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